DIYを始めると色んな木材や塗料を使いたくなります。
ただ、それぞれの木材や塗料にはそれぞれの特徴がある訳で、いくつか「これなら失敗しない!」という、自分と相性のよく、得意とする木材や塗料を見つけてく必要があります。
テーブルや机づくりにおいて、別邸家主(このHPの管理人)が試行錯誤の上にたどり着いた得意技について紹介していきたいと思います。
天板の材料選び
DIYerとして憧れるのは老舗の蕎麦屋に置いてあるような一枚板を使ったテーブル。ただ、加工のし易さ/値段/日々の使い勝手/手入れのし易さなど色々な視点から、木材(テーブルに適した板)を選んでいく必要があります。
- 一枚板: DIYerとして憧れる素材!最近では何処のホームセンターでも売っていますが、一点物になってしまい、どうしてもちょうどいいサイズを出せなかったりします。塗装してしまうと、せっかくの一枚板の味わいが消えそうで、どう仕上げるかが悩ましいです。また経年変化(反ったり、ヒビ割れたり)を予想し難く、メンテナンスに自信を持てないため、まだ天板用途としては手を出せていません。
- べニア・合板: 初めてDIYで水槽台を作るために使ったのがべニア材です。自宅のTV台も合板の一種であるシナ・ランバーを使っています。ただ、どうしても木口(端っこで断面が見える部分)の粗さが気になったりと、食事をするためのテーブルや、勉強するための机の質感としては、満足できるものではありません。
- 集成材: DIYをしない人にとってあまり耳にしない言葉ですが、日常でも目にする事が多いと思います。市販のテーブルで、木目の見えるものは、集成材を使っている事が多いですね。30~50mm幅の無垢板を接着剤で張り合わせたもので、ホームセンターでは、1820mm x 910mm で、厚みが18mm、25mm、32mmなどのものが良く売っています。
今のところ、別邸家主が(このHPの管理人)が辿り着いたのは天板の素材は集成材。使い方次第では、(安くない)市販のテーブルに近い質感のものができます。もちろん、DIYならではの、好きなサイズで好きな色のものが。
ホームセンターによっては、杉、赤松、ゴムの木など数種類の集成材が売っていますが、最も一般的なパイン集成材を使うことが多くなりました。ホームセンターAで買ったパイン集成材が余っても、次にホームセンターBで買い足したパイン集成材と組み合わせて使う事ができます。
パイン集成材の扱い方
最初にパイン集成材を使ってDIYしたのは4年ほど前。(当時は悪くはない出来だと思ったのですが)失敗してしまっていました。
それまでは、べニアを使って棚などを作ることが多かったのですが、パイン集成材はべニアと異なり、木目の方向に気を付けて設計しないと、美しい仕上がりにならないだけではなく、強度にも不安が出てきます。
別邸家主(このHPの管理人)が4年前に失敗した棚の例だと、、、
以下の写真のような木目の方向でデザイン・加工すれば、より良い仕上がりになっていたんだと思います。(何か所かの棚板で、木口が見えてしまうという失敗をやらかしてしまいました。。。)
パイン集成材は、カットし易く、また購入した時点で表面も滑らかで、ヤスリ掛けやペイントも楽です。ただ、経年や湿度、加重によって反ってしまう事もあります。木目をどの方向で使っていくか、慣れていく必要があります!
パイン集成材で、天板づくり
パイン集成材は加工し易い素材ですが、反ってしまうという問題をクリアする必要があります。天板を販売しているショップなどに相談すると、幅(木目と直角方向)が300~400mmを超える集成材の板を使う場合は、裏側に反り止め金具を付ける事をお勧めされます。
ただ、この反り止め防止金具というのは安くはなく、またテーブルの裏側とはいえ、目立ってしまいます。
750mm 反り止め金具 本職!プロ用反り止め金具2本セット 価格:9,000円 |
色々と試す中で辿り着いたのが、18mmのパイン集成材の天板の裏の淵部分に、同じく18mmのパイン集成材(30~40mm幅)の反り防止材を付けるという方法です。
- メリット: パイン集成材(910mm×1820mm×18mm)を購入する際に出る端材を使うので、ほとんどお金がかからない。同じ素材どうしをくっつけるので、(しっかりヤスリ掛けすることで)横からみたら36mm厚の天板のように見える。36mm厚の天板を使うよりも、安価で軽量に。
- デメリット: 接着やヤスリ掛けといった加工が面倒。
ホームセンターでは45度にカットしてくれないので、スコヤで墨付けしたら、アサリ(切断する際の切代)の薄いノコギリで反り防止・補強材を45度にカットしていきます。アサリがないので、長い木材を切る際には不便なのですが、一本持ってとくと、加工の幅が広がります。
45度にカットしたら、木工用ボンドとネジで天板の裏側に固定していきます。
より頑丈なテーブルや机を作りたい時は、天板の裏の何か所かに、反り防止・補強材を固定していきます。写真は書斎の長机用で、(指金の厚み分だけ代を持たせつつ)ピッタリと収まるように反り防止・補強材を固定していっているところです。
パイン集成材を購入する際には、予めカット図をエクセルで作ってプリントアウトして持っていき、ホームセンターでカットしてもらいます。手書きでなくエクセルで作っておくと、次に似たような家具を作る時にも流用できます。
ホームセンターでカットしてもらう際に端材が出ることが多いと思うのですが、(1カット80円くらいでやってくれるので)その際に、幅30~40mmの「そり防止・補強材」分も余分にカットしておいてもらいます。カットの幅を30mmか40mmに揃えておくと、余っても次のDIYに使い回せるので、SDGですね!
以下のリンク(PDF)は、オーディオ棚の天板を作った際の図面の例です。このままプリントアウトして、ホームセンターでカットしてもらいました。
パイン集成材で作る天板の塗装
パイン集成材は木目の美しい素材なので、木目を活かした塗装を行ってきます。
別邸家主が良く使うのは、水性ステインです。木目も美しく、調湿機能もあるので、自宅では、クロゼット内のハンガーラック棚の塗装に使いました。
- 塗膜系の塗装: 所謂ペンキ系の塗装。木材の表面にコーティングをすることになるので、パイン材の木目は見えなくなってしまう。
- 浸透系の塗装: 木材にしみ込んで、着色する。ステインやワックスなど。木の呼吸を妨げないので調湿効果も持つが、だんだん色あせてきて、木材の保護効果も薄れていく。
写真は別邸の書斎(いずれテレワーク環境を整えます!)の机をブラウン系の水性ステインで塗っているところ。ずいぶんと「男前」な印象に変わってきます。
ただ、、、普段、食事をしたり、水をこぼしたりする事もあるテーブルや机の天板の場合、ステイン塗料だけだと頼りないので、ニスを上塗りしていきます。熱にも強い耐久性のあるニスも市販されていて、丁寧にDIYすれば、(安くはない)市販のテーブルの質感に近づきます。
まあ、なんとも退屈な作業で待ち時間も多いので、何か他の事もしながら作業するのがお勧めです。
- ヤスリ掛け: パイン集成材の場合、販売されている状態でもある程度なめらかなので、それほど大変ではありません。以降の工程でもヤスリ掛けするので、それほど完璧にヤスリ掛けする必要はありません。
- 水性ステイン一度塗り
- ヤスリ掛け: 水性ステインがしっかり乾いてから、200番くらいのヤスリをさっとかけていきます。ステインを塗ると、板目の何か所かが毛羽立ってくる事があり、その部分を中心に、ササっとヤスリ掛けです。
- 水性ステイン二度塗り
- ヤスリ掛け: 200番くらいのヤスリでササっと
- 高耐性のニスの一度目の塗り
- ヤスリ掛け: しっかり乾かしてから、300~400番くらいのヤスリで、軽めに2~3往復。この作業で、小さな気泡や刷毛跡を均していく事で、仕上がりの質感がアップします。
- 高耐性のニスの二度目の塗り: ヤスリ掛けすると、削れた部分が粉となって付着しているので、よく絞った雑巾で何度か拭いた後で、二度目のニス塗りをします。
最近は、色々な色の水性ステインが売っているので、好みの色を選んでいきます。
ニスは「つや消しクリア」を購入しておけば間違いないです。ステインで何色に塗った後でも、「つや消しクリア」でニス塗りすれば、自然な色合いに仕上がります。「つや有りクリア」を使うと、テカテカ感がでて、どうしても綺麗に塗れなかった部分が目立ちやすくなってしまいます。
そして木工家具の塗装に際していつも悩むのが、組んでから塗装するか、しっかり塗装してから組むか、、、。
組んだ後に塗る場合、どうしても組み合わさっている部分のニス塗りが分厚くなってしまったりと、イマイチな仕上がりになる事があります。ただ、組む前に塗ろうとすると、(何しろ上述のように退屈で長い工程なので)、数日間、板を干すためのスペースが必要になってしまいます。
今のところ、綺麗に仕上げたい部分は塗ってから組む(天板の場合は、裏面に反り防止補強材を付け終わったところで塗る)事が多くなっています。パーツごとに塗った方が、端の方まで綺麗にヤスリ掛けできますね。
写真は、ホワイトのステインで着色した後、一度目のニス塗りが終わったところです。この後、1日ほど乾かしました。
ちょっとした拘りですが、塗装する前に、いちど天板裏の反り防止材を取り付けるために使ったコースレッド(木組み用のネジ)を取り外します。ステインとニスを二度塗りした後に取り付けた方が、ネジの質感(マッド・ブラック)が引き立ちます。
普段は目にしないテーブルの裏側なので、自己満足ではありますが、、、。
別邸家主でした。
にほんブログ村
にほんブログ村